科目の情報 | |||||
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科目名 |
ジェンダーと教育
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科目番号 |
H01
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担当者氏名 |
栗本 敦子
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担当形態 | 単独 | |||||
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開設年度 |
2024 年度
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学科 |
幼長
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学年・学期 |
1年・後期, 2年・後期
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単位数 | 2 単位 |
授業形態 | 講義 | 卒業 | 選択必修 | 科目区分 | 基礎教育科目 | アクティブラーニングの有無 | あり |
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幼稚園 | - | 科目区分(幼) | |
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施行規則に定める事項等 | |||
保育士 | 選択必修 | 系列(保) | 保育の本質・目的に関する科目 |
オフィスアワー | 月曜日 昼休み(12:20~12:50) | 月曜日 授業終了後 | 研究室 | 兼任講師室(6号館2階) |
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シラバスの情報 |
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対応する主なディプロマポリシー番号 |
短期大学士の授与方針 |
◎
2 自己・他者・社会への関心を持ち、教養を備えた人間として、生涯を通じて学び続ける姿勢と、社会・環境に働きかける意欲を持つ。
◎
5 人権感覚を身につけ、自らの義務を着実に果たし、知識や能力を活かして、社会に貢献できる。
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幼稚園教諭二種免許状・保育士資格の取得にふさわしい者と認めるにあたっての方針 |
◎
3 日々の実践のなかから課題を見出し、子どもの最善の利益につながる課題解決の方法を考察することができる。
◎
5 人間関係を大切にし、協同して物事に取り組みながら、子どもが健やかに育つ社会の実現に向けて行動できる。
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授業概要 |
ジェンダーは、社会的につくられる「女らしさ」「男らしさ」のことをさす。いまでは「女らしさ」「男らしさ」にしばられず、その人らしく生きることが大切だと考えられるようになってきているようにみえる。しかし現実には、社会の規範(「こうすべき」という考え)として作用し、多くの人が無意識に受け入れており、抑圧的な状況をうんで個人の生きづらさにつながっている。とくに、日本ではジェンダー格差が大きく、さまざまなひずみが問題としてあらわれてきており、また、性の多様性の尊重などの点からも、ジェンダーに関する知識や視点は不可欠である。
この授業では、ジェンダーについての基本的な考え方と、社会的問題について解説するとともに、グループワークなどで受講生の意見交換を行い、それぞれの経験にひきつけて理解を深める。さらに、教育・保育の現場において子どもたち一人ひとりの個性をいかしていくため、ジェンダーバイアスを克服する教育のあり方について論じることができる力量をはぐくむ。 |
到達目標 |
1.ジェンダーについて基本的な考え方を理解し、ジェンダー格差をめぐる現状や性の多様性についての知識を得る。そのうえで、自らのジェンダー意識をふりかえるとともに、他者への共感的理解の姿勢をもつ。
2.ジェンダーを取り巻く諸問題について理解し、社会的課題への関心をもつ。また、予防や解決に向けてのとりくみを知り、問題解決にむけて主体的に考えることができる。 3.教育・保育のさまざまな場面をジェンダーの視点から読み解くことができる。グループワークを通して多様なとらえ方や発想にであい、ジェンダーの公平をめざしたとりくみを創造性をもって考えることができる。 |
担当教員の実務経験と授業の関連 |
ジェンダーに関するワークショップ教材の開発、小・中・高におけるワークショップの実践を行った経験など。
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準備学習 |
友人や家族との日常的なやりとりや、時事問題、映画やドラマなどのメディア作品などのなかに、「女らしさ」「男らしさ」がどのように表現されているかを意識する。
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教科書 |
プリントを配付する。
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参考書・資料 |
『はじめてのジェンダー論』(加藤秀一、有斐閣)『書いて考えるジェンダー・スタディーズ』(小平麻衣子・氷見直子、新水社)『図解雑学ジェンダー』(加藤秀一ほか、ナツメ社)
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評価基準 |
平常点20%、ふりかえり用紙(毎回の授業で記入)30%、課題(レポート)50%
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定期試験実施の有無 |
実施しない
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特記事項 |
特になし
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授業計画 | ||||
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回 | 項目 | 内容 | 学習課題(予習・復習)内容 | 時間 |
第1回 |
ジェンダーとは①
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授業のすすめ方についてのオリエンテーションとグループワークの基盤づくり/「ジェンダー」概念についての導入
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シラバスの内容を把握し、自分なりの到達目標を考える
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30分 |
第2回 |
ジェンダーとは②
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セックス(生物的性)とジェンダー(社会的・文化的性差)の違いを知り、ジェンダー規範による抑圧にきづく
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性別二元論というとらえ方をおさえ、自明のものとされてきた男女の区別を問い直す
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30分 |
第3回 |
ジェンダーとは③
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ジェンダー規範にもとづく社会のありかたが女性に不利益に働いていること、性差別の現状についての認識をもつ
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自分自身が身に着けてきたジェンダー規範および外的抑圧・内的抑圧をふりかえる
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30分 |
第4回 |
メディアとジェンダー①
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絵本やアニメなどのメディアのなかで、ジェンダー規範が表現されているもの、ジェンダーからの解放を試みた表現などを紹介する
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自分に影響を与えたメディアをジェンダーの視点でふりかえる
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30分 |
第5回 |
性の多様性①
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自分自身について「性」の4つの側面からふりかえり、性の多様性について基本的な知識・とらえかたを身につける
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「性」について、自らの枠組みを問い直し、整理する
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30分 |
第6回 |
性の多様性②
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性自認とトランスジェンダー・Xジェンダー、性指向と同性愛・無性愛、セクシュアル・マイノリティの状況を理解する
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性の多様性の尊重とアライとしてのあり方を考える
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30分 |
第7回 |
ジェンダーと子どもの成長①
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ジェンダー意識が子どもの成長に与える影響を知り、保育現場での「隠れたカリキュラム」に気づく
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自分自身の経験や実習における子どもたちや保育現場の様子をジェンダーの視点でふりかえる
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30分 |
第8回 |
ジェンダーと暴力①
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恋愛など親密な関係におけるジェンダーの影響とデートDVについての基本的なパターンを知る
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ジェンダーに起因する暴力が得意な個人の問題ではなく社会的な構造が影響しているという認識を確立する
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30分 |
第9回 |
ジェンダーと暴力②
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性暴力・性虐待について、世間一般にある思い込みと被害の実態ちがい、また二次被害について知り、被害の予防と対応の手立てを知る
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現場で性暴力・性虐待の懸念がある時の対応をシミュレートしてみる
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30分 |
第10回 |
家族・育児とジェンダー①
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両親と子どもからなる家族や性別役割分業は昔からの自明のものではないこと、現代の様々なライフスタイルと家族のありかたを知る
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ライフステージごとの選択肢を整理しておく
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30分 |
第11回 |
家族・育児とジェンダー②
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子育てのあり方および「母」の役割が時代とともに変遷してきたこと、多様な家族や子育てについて知る
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現在も強く影響している「母性愛」と「三歳児神話」の問題点を認識する 自身の子育て観を問い直し、解放する
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30分 |
第12回 |
家族・育児とジェンダー③
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事例の分析から、ジェンダー規範による子育てイメージと子ども虐待の関係に気づき、保育者として子育て支援のあり方を考える
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子どもの成長のために、ジェンダーの視点からの保護者のエンパワメントや子育ての社会化が必要なことを知る
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30分 |
第13回 |
ジェンダーと未来
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自身の内面から身近な人間関係、メディアや社会制度まで、ジェンダーが大きく影響していることを確認する。
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多様性が尊重された社会のためにどのような取り組みが求められるか、何ができるかを検討する
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30分 |
第14回 |
メディアとジェンダー②
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絵本やアニメなどのメディアにおけるジェンダー表現について、自ら分析を試み、保育現場での活用を検討する。
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日常的に身の回りにあるメディアをジェンダーの視点でふりかえる
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30分 |
第15回 |
ジェンダーと子どもの成長②
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自分も他者のあり方も尊重できる子どもの成長のため、保育教育現場においてどのようなかかわりが求められるか、考察する
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これまでに学んだ各回の内容を、保育教育現場の実践に即して整理する
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30分 |